Googleから「Welcome to reCAPTCHA on Google Cloud」「Your reCAPTCHA keys have been successfully migrated」という件名のメールが届いたら、それはreCAPTCHAの鍵がGoogle Cloudへ自動移行された完了通知です。鍵の値もサイト側のコードもそのまま動くので、フォームが止まることはありません。ただし、メール内の「Accept Project」は押しておく必要があり、無料枠が月1万回に変わった点だけは確認が必要です。
1. Accept Projectを押す
Googleは従来の管理画面で作っていたreCAPTCHA v2・v3の鍵をGoogle Cloudへ統合しており、2025年10月以降は所有者が操作しなくても自動で移行されています。移行では、鍵を作ったGoogleアカウントごとにGoogle Cloudのプロジェクトが自動作成され、そこに鍵が入ります。サイトキーとシークレットキーは変わらないので、WordPressのContact Form 7やEC-CUBEのプラグインに設定した値もそのまま使えます。
Accept Projectを押さなくても鍵は動き続けます。押さないと、鍵の追加・削除・ドメイン設定の変更と、利用回数の確認ができないだけです。招待に期限はありませんが、次の「回数の確認」をするには押しておく必要があります。
複数のGoogleアカウントで鍵を作っている場合、アカウントごとに別のメールが届き、それぞれ別のプロジェクトになります。全部のメールでAccept Projectを押してください。メールは鍵を作ったアカウントの持ち主に届くので、制作会社のアカウントで作った鍵なら制作会社側に届きます。押す前に送信元がgoogle.comのドメインであることを確認し、不安ならメールのボタンを使わずGoogle Cloudコンソールに直接ログインして「reCAPTCHA」の画面を開いてください。同じ操作ができます。
2. 月間の検証回数を見る
ここが移行前と大きく変わった点です。従来のreCAPTCHAは月100万回まで無料でしたが、移行後は月1万回(assessment)までが無料枠になりました。
数え方は「サーバー側の検証(siteverify)を呼んだ回数」です。Googleのドキュメントでは、siteverifyの呼び出しをCreateAssessmentと同じ1回として数えると説明されています。フォームが送信されてサーバーがトークンを検証した時に1回増え、ページを表示しただけでは増えません。目安になるのはPVではなくフォーム送信数で、スパムボットの送信も検証まで到達すれば数えられます。
無料枠は同じアカウント(組織)のプロジェクトを合算した数です。Google Cloudコンソールで各プロジェクトのreCAPTCHA画面を開くと、鍵ごとの回数が確認できます。問い合わせフォームが1つある程度のサイトなら月1万回に届くことはほとんどなく、注意が必要なのは会員登録やログインにreCAPTCHAを付けていてボットの試行が多いECサイトです。
超過した場合の料金は次の通りです(2026年9月時点)。
| 月間回数 | 料金 |
|---|---|
| 1万回まで | 無料 |
| 1万1回〜10万回 | 月8ドルの定額(課金設定が必要) |
| 10万回超 | 1,000回あたり1ドル |
3. 超過した時の挙動を知っておく
課金設定をしないまま1万回を超えた場合、フォームが止まるわけではありません。Googleのドキュメントでは、超過後のsiteverifyは「success: true、スコア0.9で成功を返し、レスポンスに上限超過のエラーメッセージが含まれる」と説明されています。つまり検証は全て成功扱いになります。
v3(スコア判定)を使っているサイトでは、これは「スパムも全て正規の送信として扱われる」ことを意味します。Contact Form 7の初期設定はスコア0.5未満をスパムとして扱うので、0.9が返ってくれば全て通常の送信として処理されます。フォームは動いているのに突然スパムが増えた、という症状で初めて気付くことになります。
月1万回を超える見込みのサイトでは、課金設定を入れて月8ドルの定額にしておくのが確実です。
Contact Form 7でのreCAPTCHAの設定手順は、WordPressのContact Form 7でreCAPTCHA設定する手順を解説に書いています。設定自体は移行後も変わりません。
参考: reCAPTCHA Classic to reCAPTCHA Enterprise migration overview (Google Cloud) / Compare tiers (Google Cloud)