EC-CUBE標準のSEO出力はどうなっているか(4.3.1で実機確認)
EC-CUBEのSEO対策を考えるとき、まず押さえるべきは「標準のままで何が出力されて、何が足りないか」です。EC-CUBE 4.3.1の実機でテンプレートとソースを確認した結果が以下です。
| 項目 | 標準の挙動 | SEO上の問題 |
|---|---|---|
| titleタグ | 「店名 / ページ名」の語順(default_frame.twig) | 店名が先頭に来るため、スマホの検索結果では全ページ同じ店名しか見えない |
| meta description | ページ管理のdescription欄から出力 | カスタマイズで追加したページは未登録だと出力されない |
| canonical | 出力なし | 絞り込み・並び替え・ページ送りのパラメータ付きURLがすべて別ページとして扱われ、重複コンテンツになる |
| 構造化データ | 商品詳細のJSON-LDのみ(4.2で追加) | カテゴリページ・パンくずの構造化データがない |
| sitemap.xml | 標準搭載(商品・カテゴリ・ページ管理のページを出力) | ルーティングだけで追加した独自ページは載らない |
つまり弱点は明確で、対策すべき箇所も決まっています。以下、優先度の高い順に「何をどこでカスタマイズするか」を解説します。
優先度の高いSEOカスタマイズ5つ
1. titleタグの語順を「ページ名 / 店名」に入れ替える
標準の語順のままだと、検索結果で最初に表示されるのはどのページでも店名です。Googleは検索結果でタイトルを30字前後に切り詰めるため、肝心のページ名・商品名が見切れます。
テンプレートのdefault_frame.twigにある<title>の出力で、店名とページ名の順序を入れ替えるだけで全ページに効きます。数行の修正で最も費用対効果の高いカスタマイズです。
必要なカスタマイズ:default_frame.twigのtitle出力の語順変更
2. カテゴリページにコンテンツを追加する
EC-CUBEのカテゴリページ(商品一覧)は、標準では商品カードが並ぶだけでテキストコンテンツがほとんどありません。コンテンツ量が薄いページは評価がつきにくく、カテゴリ同士が似通っていると重複コンテンツとして扱われることもあります。
カテゴリは「◯◯ 通販」のような検索ボリュームの大きいキーワードを受け止めるページです。カテゴリごとの説明文を登録し、一覧テンプレートに表示するカスタマイズを行うことで、検索結果に出られるページに変わります。
必要なカスタマイズ:カテゴリに説明文の項目を追加し、一覧ページに表示する
3. canonicalタグを出力する
標準テンプレートにはcanonicalの出力がありません。商品一覧は絞り込み・並び替え・ページ送りでURLのパラメータが変わるため、同じ内容のページが何通りものURLでクロールされます。「思ったより検索にヒットしない」というサイトの原因を調べると、この重複が評価を分散させているケースが多くあります。
ページ管理のメタタグ欄で1ページずつ差し込む方法もありますが、パラメータ付きURLに対応するには、テンプレート側で正規URLを出力するカスタマイズが確実です。検索条件を独自に追加しているサイトでは、その条件も踏まえた設計が必要になります。
必要なカスタマイズ:正規URLを判定してcanonicalを出力する
4. 構造化データを補完する
4.2以降、商品詳細ページには商品のJSON-LDが標準で出力されます。一方で、パンくずリスト(BreadcrumbList)やカテゴリページの構造化データはありません。パンくずの構造化データは検索結果の表示に直結するため、優先して追加する価値があります。
なお商品の構造化データは既に出力されているので、プラグインやカスタマイズで二重に出力しないよう注意してください。同じ情報の重複はエラーの原因になります。
レビュー機能を実装しているサイトなら、レビューの構造化データを追加すると検索結果に評価の星が表示され、クリック率の改善が見込めます。
必要なカスタマイズ:パンくず・カテゴリ・レビューの構造化データ追加
5. sitemap.xmlの範囲を補う
4系にはsitemap.xmlが標準で搭載されており、商品・カテゴリ・ページ管理に登録されたページを出力します。ここでよく漏れるのが、コントローラの追加などルーティングだけで作った独自ページです。sitemapの出力元はページ管理・商品・カテゴリのデータなので、そこに存在しない画面は載りません。
独自ページをページ管理に登録して運用するか、sitemapを拡張するカスタマイズで対応します。
必要なカスタマイズ:独自ページのsitemap登録
SEO系プラグインで対応できるか
ほとんどカスタマイズをしていないサイトであれば、SEO系プラグインでも一定の効果はあります。
しかし、EC-CUBEはカスタマイズを加えて使うことが前提のCMSです。商品一覧にカテゴリ以外の絞り込み条件を追加している、ページ管理を通さずにページを追加している——そういったサイトでは、プラグインはそのカスタマイズを考慮できず、タイトルタグを最適化しきれなかったり、重複コンテンツが残ったりします。
WordPressであればプラグインの挙動をフックで上書きする余地がありますが、EC-CUBEはプラグインの外から挙動を変えることが難しいため、カスタマイズされたサイトでは最初から独自にSEOカスタマイズを行う方が、結果的に開発コストを抑えられます。
表示速度は別枠で対策する
ページの表示速度も検索評価に影響しますが、EC-CUBEの場合はテンプレートの調整よりデータベースへの問い合わせがボトルネックになっているケースが大半です。速度改善は原因の特定方法から手順が異なるため、EC-CUBEのサイトが重いときの原因特定と改善方法にまとめています。
まとめ:対策の優先順
標準出力の弱点は「titleの語順」「カテゴリページの薄さ」「canonical無し」「構造化データ不足」「sitemapの範囲」の5つです。このうちtitleタグの語順変更は数行の修正で全ページに効くので、最初に着手することをおすすめします。canonicalと重複コンテンツの整理は、検索条件のカスタマイズ状況によって設計が変わるため、サイトの構成を踏まえて進めてください。
EC-CUBEに関するお問い合わせ
[重要]現在公式にセキュリティサポートが切れていないPHPは8.1以上、MySQLは8.0以上で、対応しているEC-CUBEバージョンは4.2以上です。古いEC-CUBEを使っている方は適切なタイミングでバージョンアップをご検討ください。