EC-CUBEにクレジットカード決済を導入する場合、決済代行会社がオーナーズストアで公開している決済プラグインを使います。選ぶときに手数料だけを比べてしまいがちですが、プラグインの対応機能は会社ごとに違います。ここを見落とすと、運用が始まってから「管理画面でキャンセルできない」「PayPayを足すのに追加開発が必要」といった形で表面化します。契約前に確認すべき6点をまとめます。
決済プラグインは決済代行会社ごとに別物
EC-CUBE本体にカード決済の機能は含まれていません。決済代行会社と契約し、その会社が提供するプラグインをインストールして連携します。
重要なのは、このプラグインが共通仕様ではないことです。各社がそれぞれ独自に開発しているため、EC-CUBEの管理画面からできる操作の範囲が会社によって変わります。決済代行会社のサービス自体が対応していても、EC-CUBE用プラグインが対応していなければ、管理画面からは使えません。
「決済代行会社ができること」と「EC-CUBEプラグインができること」は別だと考えて、後者を確認してください。以下、確認すべき観点を挙げます。
1. カード決済以外の支払い方法に対応しているか
最初にカード決済だけで始めて、後からPayPayなどのQRコード決済、コンビニ払い、後払いを追加したくなるケースは多いです。
同じプラグインで他の決済手段もカバーできるなら、追加は設定作業で済みます。対応していない場合、別の決済代行会社と契約して別プラグインを入れることになり、購入フローの調整費用が発生します。
今すぐ使わない決済手段でも、将来の候補があるなら対応状況を確認しておくほうが安全です。カード決済だけを見て選ぶと、あとで選び直しになります。
2. トークン型かリンク型か
カード番号の入力場所によって2つの方式があります。
| 方式 | カード情報の入力場所 | 特徴 |
|---|---|---|
| トークン型 | 自社サイト内 | 購入フローが途切れない。デザインを統一できる |
| リンク型 | 決済会社のサイト | 画面が切り替わる。自社側の実装負担が軽い |
プラグインによってはどちらか一方にしか対応していません。購入完了までの離脱を減らしたいならトークン型が有利ですが、実装や要件との兼ね合いがあります。判断材料はEMV3-Dセキュア対応開発はリンク型かトークン型かどちらが良い?にまとめています。
3. EMV 3-Dセキュアに対応しているか
本人認証の仕組みであるEMV 3-Dセキュア(3Dセキュア2.0)は、カード決済を扱うEC事業者に対応が求められています。
現在提供されているプラグインは対応済みのものがほとんどですが、古いバージョンのEC-CUBEで動いているサイトでは、プラグイン側が対応していない場合があります。既存サイトの改修を検討している場合は、使用中のプラグインのバージョンと対応状況を確認してください。
詳細は3Dセキュア2.0/EMV 3-Dセキュアの義務化によるカード決済導入方法で扱っています。
4. 管理画面から金額変更・キャンセルができるか
運用コストに最も響くのがこれです。
注文後に金額を変更する、キャンセルして返金する——この操作をEC-CUBEの管理画面から実行できるかどうかは、プラグインの実装次第です。対応していない場合、決済代行会社の管理画面に別途ログインして操作することになります。
つまり1件の注文修正に2つの画面を触る運用になります。月に数件なら許容できますが、注文変更やキャンセルが日常的に発生する業種では、作業時間とオペレーションミスの両方が積み上がります。
受注件数が多い場合、手数料が多少安くてもこの差で逆転します。
5. 定期購入に対応しているか
定期購入・サブスクリプションを扱う予定があるなら、最初から対応しているプラグインを選んでください。
定期購入を後から独自実装するのは、カスタマイズの中でも特に費用がかかります。継続課金の管理、カード情報の保持、決済失敗時の再試行など、考慮すべき点が多いためです。
決済代行会社として定期課金に対応していても、EC-CUBEプラグインが対応しているとは限りません。ここも「会社の機能」ではなく「プラグインの機能」で確認してください。
6. 不具合対応とリリース履歴
プラグインは導入して終わりではありません。EC-CUBE本体のバージョンアップやPHPの更新に追随してもらう必要があります。
オーナーズストアの各プラグインページで確認できるのが次の2点です。
- レビュー — 導入時のつまずきや不具合の報告が書かれていることがあります
- リリース履歴 — 更新が継続しているか、不具合の修正が適切な間隔で行われているか
更新が長期間止まっているプラグインは、EC-CUBE本体をバージョンアップしたときに動かなくなる可能性があります。直近の更新日は必ず見てください。
確認する順番
手数料の比較は最後で構いません。先に絞り込むべきなのは、後から変更が効かない部分です。
- 将来使う可能性のある決済手段に対応しているか(1)
- 定期購入を扱う予定があるか(5)
- 管理画面から金額変更・キャンセルができるか(4)
- トークン型/リンク型の希望に合うか(2)
- EMV 3-Dセキュアへの対応状況(3)
- 更新が継続しているか(6)
- そのうえで手数料を比較する
1・4・5を満たさないプラグインを選ぶと、あとから開発費か運用工数のどちらかで回収されます。手数料の差より、この3つの差のほうが金額として大きくなることがあります。
EC-CUBEに関するお問い合わせ
[重要]現在公式にセキュリティサポートが切れていないPHPは8.1以上、MySQLは8.0以上で、対応しているEC-CUBEバージョンは4.2以上です。古いEC-CUBEを使っている方は適切なタイミングでバージョンアップをご検討ください。